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  • 賀茂百樹大人、續

  • 投稿者:備中處士
  • 投稿日:2008年 9月13日(土)18時57分17秒
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【拾遺】

●大和國・等彌神社の碑(昭和十年頃獻詠・『櫻井町史』)
こゝをしも 鳥見のゆ庭と きくからに 伏しこそをがめ 天津大神  百樹

●武藏國・隅田稻荷神社の神號額・昭和十年九月揮毫

●『中今亭雜歌』より、哥一首(蓮田善明陸軍中尉「興國百首」=『忠誠心とみやび』昭和十九年六月・日本放送出版協會刊所收を參看)
黒がねは よし碎くとも 日の本の やまとだましひ 碎くべきかは

●『中今亭雜歌』より、哥一首(靖國神社・遊就館の入口展示)
いくさ人 さゝぐる劍の 光より ひかりこそいづれ 國の光は

●『略歴』に曰く、「

 明治天皇・大正天皇・皇太后陛下に拜謁し、又は賜餐を賜はりしこと數囘あり。就中、最も恐懼感激にたへざるは、明治四十二年、大正天皇の未だ東宮にましゝ時のことなるが、拜謁を賜ひて、己が姓を賀茂と稱することについて、委しき御下問ありしことなり。數ならぬ微賤のものゝ姓名をさへ御記憶あらせ給ひぬることよと思ひ奉れば、忝さに今も涙こぼるゝなり。其の後數度、社務所に台臨あらせ給ひて、午餐召さるゝ時などに、玉の御詞を賜ひしことあり。こゝに記し奉るは、ゆゝしく、畏き極みなれども、大正十五年十二月末より昭和二年一月にかけて、殯宮に大座ましゝ時、喪に服せざる神職は、殯宮に參拜することは御遠慮申すべきなりとて、わがどちには御通夜仕へ奉るものなかりしが、己は若し然らんには、わが職とり給ひね、とり給ひても悔なし、祭祀の爲には喪に服せざる職なれども、更に祭祀の怠りとならざる時間において吊拜する、何の妨げかあらん、臣下の分としても情としても、道徳の本たる祭祀の職にあるものゝ、躊躇すべきにあらざるなりとて參内して、海嶽の鴻恩を追念し拜謝し奉りたりき。あな畏こ、あなゆゝし、おのが略傳の中に、かゝることを書付けたる、見ん人、ゆるし給ひねかし。

 又こゝに一言、書きそへたきことあり。おのれ伊勢に學びぬる頃より、科學の進歩いち著くなるまゝに、古典に不安の念を生ずるに至らしめたり。今より見れば何としもなけれど、當時、祭天古俗説にさへ打驚きて騒ぎし時のことなれば、今人の想像も及ばざる憂慮を以てせしなり。考古學者の掘出づる石器時代の遺品は、日本島國の新しき證となり、人類學者の拾ひ集むる骨片は、日本島民の漂流者の集合團體なるを徴して憚らざる有状なれば、若き己らの頭腦を刺激し動搖を起さしめしも當然なり。此の時、己れ思へらく、何を以てか、伊弉諾命の、原人時代の人にまして神なることを證明せんか、何を以て、爾來、皇室の連續して尊嚴を維持し給ふことを擁護し奉らんか、これ、吾人が祖先の貴重なる第一遺物たる言語を以て證明する外なかるべし、若し之を研究して目的に違はゞ、吾が學、廢せんのみと、日夜研鎖講究して、明治三十三年二月二十七日に至りて書終りしは、『日本語源』十卷なり。當時、言語學は、未だ幼稚の時代なり。今日より之を見れば、此の書の如き、或は反古同樣なるべし。然れどもおのれは、この研究によりて、古典にも國體にも安心して、金剛信者たるに至りしなり。この外、二三の書けるもの無きにしもあらざれども、此の著述の如き、われにとりて最も大切なるものなれば、茲に特記するなり」と。

●朝鮮神宮祭神論爭
 朝鮮神宮には、天照大神と明治天皇を奉齋す。大正十四年十月竣成の半年前頃から、俄かに祭神に就いての論爭が湧き上がる。此の兩柱に加へ、「韓國歴代の建邦の神」を祭神にしない事は、「人倫の常道を無視せる不道徳」、即ち朝鮮の始祖・國魂神たる檀君も、宜しく併せて祀るべしてふ聲を擧げしは、朝鮮神宮初代宮司・高松四郎翁はじめ、今泉定助・葦津耕次郎・賀茂百樹・肥田景之等の神道人、是なり。斯くの如く神道人と政府關係者とは鋭く對立する事ありしが、結局、朝鮮總督府は、「檀君の事績を調査させるも、實在の神か否か明かならず、若し實在の神なら、時機を見て祀らむ」。「鮮人に、神及び神社の觀念を認め得ず。徐々に神祇の道を教へることが先なり」と云ふ理由から、檀君奉齋反對の決定を下せりと云ふ。


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