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君臣の義、講ぜざること七十餘年なり矣。

 投稿者:備中處士  投稿日:2016年12月14日(水)22時18分30秒
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  ■吉田松陰先生『松下村塾記』

 抑も人の最も重しとする所は、君臣の義也。國の最も大なりとする所は、華夷の辨也。今ま天下は、何如なる時ぞや也。君臣の義、講ぜざること六百餘年、近時に至り、華夷の辨を合せて、又た之を失ふ。然り而うして天下の人、方且に安然として計を得たりと爲す。神州の地に生れ、皇室の恩を蒙り、内、君臣の義を失ひ、外、華夷の辨を遺る。學の學爲る所以、人の人爲る所以、其れ安ぞ在らんや哉。




 畏友・河原博史翁から、いつも御手製の封筒にて、澤山の情報誌を戴いてゐる。備中の田舍者にとつては、此の上なく難有い。其の中から、吾が腹悶を醫やしてくれる玉文を得た。嬉しさの餘り、些か紹介して、諸賢に供したい。



●志賀智仁・日本實踐奉仕團代表『大殿下薨去と讓位について』(『芳論新報』平成二十八年十二月號所收)

 日本は、云ふまでもなく、皇國である。つまりは内政や外交が、少々行き詰まりを見せようとも、街頭において左右の陣營が衝突を起こさうとも、それは小さからざる問題ではあるけれども、決して國家を搖るがすに至り得ないのである。神意が働く時、畏きあたりが動く時、それこそが、唯一、祖國が激動に直面するサインなのである。我々は、その感性でもつて、事に處さなければならない。‥‥

 有識者會議のメンバーもヒアリング對象の專門家も、保守系としてならした人物が、大勢をを占めてゐる。ところが蓋を開けてみれば、その論議が憲法違反だの、特別法で對處するだのと、天○機關説論者も眞つ青の不敬ぶりである。第一、御自ら讓位の意向を滲ませてをられるのにも拘はらず、認めるとか、認めないとか、いつたい君臣の別を、何と心得てゐるのか。本來は讓位の御心を拜して、如何にしてそれを翼贊するかを論議するべきなのであつて、今日のそれは、不敬千萬、本末轉倒として、冗談にもなりはしない。

 今さら云ふまでもないが、有識者會議、またヒアリング對象となつた專門家に、期待は禁物だ。頭腦の明晰さは、確かに見上げるべきだが、今般の問題に限つて、それよりも重要なのは、敬神尊皇の精神であり、政府に助言するに値する經驗で云へば、その志操である。つまりこのメンバーに、神道界の人物が、誰ひとりとして人選されてゐないことをみても、この論議が、國體を重んじる結論を導き得ないのは、火を見るより明らかと云はざるを得ない。

 ある人物は、かつて小泉純一郎が、皇室典範の改正を企てた時、男系男子を堅持すべきと論陣を張つたが、その論據にDNAを持ち出し、血統を守れと云ひだした。他國の王樣について論じてゐるならいざ知らず、なぜ、皇統・靈統の概念が持ち出せないのか。また別の人物は、攝政をおくべきだとして讓らない。今上天皇の御心に、攝政はないのに、である。これは一見、尊皇の志ゆゑと勘違ひしがちだが、實のところ、大帝と暴君を認めることと同義なのである。斯樣に他の連中の意見も、大同小異、とても萬世一系を奉戴する有爲なる人々の言とは思へない。先日、この状況について、近所の名もなき神職と意見を交はしたが、「學者は、ダメですよ」と、ぽつりと漏らしたことが、今でも忘れられない。‥‥

 いま我が陣營は、法的な解釋や、さりとて同情や人權と云ふ不敬でもなく、たゞゝゞ御心を拜戴する姿勢を以て、内外に君臣の別を闡明にしなければならないのである。天皇が讓位と仰せならば、一も二もなく、讓位ではないか。
 
 
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